11月9日 気温3.4℃ / 曇り


本日は一周のみ。南側外周を歩き始めると、一粒一粒ゆっくり雪が降ってきた。本格的な降雪はまだのよう。昨日見逃していたものを見逃さないようにじっくりと歩く。公園内ではクリスマスイベント(ミュンヘンクリスマス市)に向けて会場設営が進んでいる。まだ備え付けられて間もない機材の一部と電灯の側面に、タグ(tag: グラフィティアーティストによる落書き)が早くも書かれていた。最近この辺りでよく見掛けるタグなので、冬を前にした書き手の興奮の痕跡と読み取ることができそうだ。ただ、ベテランではないような気がする。付近の他の箇所には古参のスローアップ(throw-up: 文字のアウトラインだけを象ったもの)が堂々と残されており、新鮮なタグとの対比が目立つ。また、タグの傍にはいくつかメッセージが書かれており、どれも当人らの美学とは無縁のヤンキー風のライティングであることも突出して眩しく、外目から見ても粋ではない。(写真撮影は行ったが記録は控える)

2日目、歩行時間と木の種類の再確認、地面の起伏や建造物の位置、信号待ちの時間、南北のビルに反射する朝日の強弱を確認した。直立する建造物のグリッド上の壁面やガラス窓には朝いちばんの光が届く。冬期を迎えて辺り一面雪に包まれると、その光は公園内の平坦な「余白」をめがけて飛散する。東から昇った太陽の光が付近のビルに手当たり次第反射するので、飛散する光の導線によって方角を見失ってしまうような、都心部における無降雪のホワイトアウト現象が発生する。これは昨年、雪解けまで歩き続けてわかったことだが、片手の指で数えるぐらいしか出会えない。

本日の確認を一通り終えて、心の保養にと、6丁目のケヤキの大木にいつものように囁く。この時期の姿には特に励まされる。訪れる度に「生きよう」と心に決めてしまう。